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ステンレスについて【後編】

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前回、ステンレスが錆びにくい理由についてお話しましたが、今回は実際に錆びてしまう可能性のある状況や磁性についてお話します。

 

①もらい錆びについて

こちらはステンレスの表面に鉄など異種金属が接触したまま放置してしまうと、その異種金属が錆びる事でステンレスにも錆びが移ってしまいます。これがもらい錆びという現象です。鉄などが錆を起こし、その錆がステンレスの不動態皮膜を破壊してしまう事で発生します。

②酸やアルカリなどの薬品の影響について

酸性雰囲気やアルカリ雰囲気、酸性やアルカリ性の液体に常に晒されている状態では錆びてしまう可能性が高いです。

③汚れや水分の付着について

ステンレスの表面に汚れや水分が付着したままの状態ですと、その部分に不動態皮膜を形成することができない為、錆びやすい状態となります。

④塩素の付着について

海岸などの海に近い場所では塩素イオンが表面の不動態皮膜を壊してしまいますので、鉄に比べるとステンレスは錆びにくいですが、それでも塩害によって錆びやすくなってしまいます。

上記がステンレスが錆びてしまう代表的な例として挙げられ、これらの状況には注意が必要です。

 

次に、磁性について

ステンレスには磁石は引っ付かないと一般的には知られていますが、全てに磁石が引っ付かないということではなく、種類によって異なります。

それには、より錆びにくくするために含有するニッケルが関係しています。

比較例を挙げますと、ニッケルを含むSUS300系は磁石が引っ付かず、ニッケルを含まないSUS400系は磁石に引っ付くということになります。

ただし、SUS300系でも加工による組織の変化や各物質の含有量の大小によっては磁性を帯びることがあります。例えば、弊社では伸線工程で磁性が変化することがこれにあたります。

 

前回に引き続き改めてステンレスについて簡単にお話しましたが、いかがでしたでしょうか。

ステンレスについてはまだまだ様々な種類や性質がありますので、基礎知識としてご参考になればと思います。

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